小学生の夏休みイベントの1つ、自由研究。
親にとっても悩める宿題かもしれません。
子供に完全に任せるという方針もあるでしょうが、私は1~2学年程度上の知識を自由研究に取り入れさせて、知識の幅を広げるようにしています。
今年はクイズの回答ボタンを作ろうとしていますが、実際に音が鳴るように電子工作をしました。
クイズの押しボタンっぽく、大きいボタンを取り付け完了
これで子供の夏休みの自由研究のオマケ機能が出来上がり。
後は、子供自身が頑張れよ❗️ pic.twitter.com/YugwdnS6kG— Initial JJ (@initial_jj) 2020年8月10日
電子工作に興味があるけれど、始め方がわからない、という方には取っ掛かりの読み物になると思います。回路の説明は割愛しますが、簡単な用語説明を添えて書き進めていきます。
最低限必要な工具は全て説明していますので、これを参考に電子工作の世界に飛び込んでみませんか?
最後に、私の自由研究に対する親の協力方針を述べて結びとします。
自由研究のテーマ決定
自由研究なんで、観察日記でも工作でも、テーマは何でも良いと思っています。
私は、子供の自主性に任せて、やりたい事をやらせています。あまりにも簡単過ぎるものであれば、深堀りできるポイントがあるように、軌道修正します。
今年は、子供が「クイズの早押しボタン」を作りたいと言いました。
イラストは「アメリカ横断ウルトラクイズ」の帽子ですが、「ボタンを押したら札が立つ細工を施したボタンを作りたい」、という事でした。
子供はクイズ番組が好きなので、多分、テレビを見ながら自分も回答者の気分になりたかったのではないかと思います。
子ども自身で、どうやったら実現できるか設計図を描き、大凡完成するだろうというものは考えていました。
ここから、私が余計な細工を加えます!
親目線で、今年は理科の知育を組み込んだ
せっかく作るなら、市販の大きめの径のボタンを使用し、かつ、実際に「ピンポーン♪」と音が鳴る本格的なモノを作りたいと思いました。私が勝手にw
工具が無い!
実現させるには電子工作をする事になりますが、工具を持っていません。
正確に言うと、ベトナム駐在時に私物の工具一式を全て事務所に置いたまま帰国しました。
この時は一時帰国の予定だったので荷物整理をせずに帰国。
まさか帰国している半年の間に事務所を閉めることになるとは思ってもいなかったのですが、話が脱線するのでそこは割愛。
で、ゴソゴソと工具を探した所、
手前から
ラジオペンチ(赤いやつ)
フラックス
以上。全然足りません!
工具の説明
ニッパー
ハンダ付けした後の部品(抵抗器、コンデンサetc.) の余分な足を切る為に必須です。
ラジオペンチ
絶対必要ではありませんが、あると便利。たまに使う事があるペンチ。
フラックス
ハンダを乗せる金属表面の酸化物を取り除き、ハンダの乗りを良くします。
フラックスは無くても良いです。今回は使いませんでした。
工具調達
職場だったら工具は一式揃っているので、ハードウェアのちょっとした修理程度は行っていたのですが、この際なので自分専用のものを、もう1回買い揃えました。
まずは電子工作に必須の5品。
ハンダごて
ハンダを溶かす器具。
ニクロムヒーター式と、セラミックヒーター式がありますが、セラミックヒーター式を選ぶのが無難です。
ニクロムヒーター式の方が安価ですが、1,000円程の差なので性能の良いセラミックヒーター式がオススメです。
ハンダごて台
ハンダごては300~400℃の高温になるので、コテを置く台は必須です。
ハンダ
電子部品を接着させるノリが「ハンダ」です。
ハンダごてで熱して溶かし、ランド(基板の金属面)に流し込み、固めます。
上記商品はΦ1mmです。ランド間のピッチが狭い場合は、もっと細い径のハンダを使いますが、通常はこの程度の径が使いやすいと思います。
デジタルマルチメーター
電圧、電流、抵抗値を測定する機械です。
組み立てた回路が、オープン/ショート(短絡)していないかのチェックに使ったり、電源を入れる前に、正しく電流が流れるかを確認する導通チェックに使います。
ハンダ吸い取り線
間違えて部品を付けてしまった場合、ハンダを溶かして取り除く必要があります。また、ハンダが乗りすぎた時は隣のランドとショートする可能性があるので、この場合も余分なハンダを取り除く必要があります。こういった時に使うのがハンダ吸い取り線です。
ポンプ式で吸い込むハンダ吸い取り器もあります。
吸い取り器の方が使いやすいですが、吸い取り線よりも高額です。吸い取り線は200~300円で購入できます。
腕に自信があれば使う機会は滅多にありませんが、準備しておいた方が良い道具です。
その他、あると便利な道具は下記2つ。今回は購入しませんでした。
ワイヤーストリッパー
リード線のビニール皮膜をカットする工具です。
皮膜に切り込みを入れて、中の電線を剥き出す時に使います。無ければカッターナイフで代用可能ですが、線芯が0.5mm以下の細いリード線だと、カッターナイフでは代用が難しくなります。
リードベンダー
抵抗等の足(リード)を折り曲げる工具です。
工具を使わずとも手で折り曲げるのに苦労しないので、無くても困らない工具です。あると、綺麗に仕上がります。
パーツ調達
「ピンポン♪」と音を鳴らす為の回路は、キットを購入しました。
ワンダーキット/WonderKitのピンポンチャイムキット(型番 CY-1MB)というもので、1,000~1,200円で購入できます。
電子部品一式が揃っているので、基板にハンダづけするだけで出来上がるプラモデルのようなモノです。
ボタンは、直径6cmのモーメンタリ・スイッチ(BPS60-RD)を購入。
他に、写真右上がリード線で、写真中央の上にある線は、両端に「みのむしクリップ」が付いたリード線です。
東京秋葉原や大阪日本橋のパーツショップに行けば、リード線とクリップを単品で安価に売っているので自作するのですが、今回は10本800円で購入しました。
制作~完成
制作
制作は簡単、部品をハンダ付けするだけです。
今回のようなキットの場合、部品を取り付ける方向等、説明書にきちんと書いてあるので、書いてある通りにすれば何も難しい事はありません。
取り付ける方向が決まっているのは、ダイオード、トランジスタ、コンデンサ。この向きさえ間違わなければ大丈夫です。
抵抗器には4つの色(カラーコード) が塗られていて、それで抵抗値がわかるようになっています。
キットの場合は説明書にカラーコードが書いてあるので、その色に従って接続すればOKです。本当に何も難しい事はありません。
完成
30分程で作業完了しました。
クイズの押しボタンっぽく、大きいボタンを取り付け完了
これで子供の夏休みの自由研究のオマケ機能が出来上がり。
後は、子供自身が頑張れよ❗️ pic.twitter.com/YugwdnS6kG— Initial JJ (@initial_jj) 2020年8月10日
このキットはDC5V~12V駆動だったので、箱型電池(9V)を使いました。
箱型電池とみのむしクリップの間のパーツは「電池スナップ」と言うもので、これも準備しておきました。44円でした。
親の手伝いは終わった
あとは子供が自分で考えて、ボタンを押したら札が上がる仕組みを作れば完成です。
電子回路の詳細を知ってほしいわけではない
電子回路の事は、子供が理解しなくて構いません。理解させる事もしていません。
学校には、出来上がったモノだけを持っていくのではなく、
- 作りたかったモノの概要を書く
- 設計図を描く
- 電子工作は父が勝手にやった事である事を明示する
- 難しかった事を書く
- 新しく知った事を書く
- 今後、更に知りたい事を書く
以上を紙にまとめて一緒に提出するよう、子供に伝えました。
私が考える「親が自由研究を手伝う意味」
私は、自由研究というものは成功しても失敗しても構わないと思っています。
自由研究とは、子供が自分自身で考えた事を実行し、行動プロセスを文書という形でアウトプットする練習であると思っています。
結果重視ではなく、プロセス重視。
成果物の出来栄えを良くする為に親が協力する、または、何かの賞を取らせる為に身の丈以上のモノを作る手伝いは不要だと思っています。
今回の電子工作は、テレビやゲーム機、デジタル時計など、身の回りにある電化製品が「なぜ動くのか?」「どのように作っているのか?」という初歩に興味を持ってくれたら嬉しいと思い、オマケ機能を搭載しました。
親は、少しのスパイスを加える事で、新しく知的好奇心が湧くきっかけを与えてやれば、それで良いと思っています。
今回は少しスパイスが強くなりましたけども。
ご覧いただき、ありがとうございました。
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