Amazon Prime Videoで配信中の中国ドラマ「月に咲く花の如く」を観ました。その感想。観る価値アリの傑作ドラマです。
一言で言うと「歴史モノの恋愛ドラマ」となりますが、ヒロインの数奇な運命と数々の陰謀、純愛、自立した女性の奮闘、とあらゆる要素が絡んだ傑作となっています。日本の朝ドラのヒロインに悲劇的&数奇的運命の要素を「これでもか!」と取り入れた感じですかね。老若男女問わず楽しめる作品となっています。
原題は「那年花开月正圆」。
全74回と長編ですが、中国ドラマはどれも長いです。長いですが、話の展開が非常に早く、「早く続きが観たい!」となるこのドラマ。中国では2017年に放送され、高視聴率を取った有名作品です。
予告編をリンクしました。
ですが、予告編にしてはネタバレが多いので、最初の25秒までで観るのを止めて、本編を試聴する事をオススメします。
Amazon Prime Videoはコチラから。
なお、毎度の事ですが、私の中国やベトナムに関するブログは、漢字は基本的に簡体字&ピンイン併記でカタカタ読みの併記はしません。これは私のポリシーで、日本語に存在しない音を無理やりカタカタ読みするのが嫌いで、音を聴く時の邪魔をしたくない(=語学習得の弊害を作りたくない) 為です。
ドラマは中国語音声ですが、日本語字幕でカタカナ併記されているのでご安心を。
また、このブログのピンインが、この記事を読んでからドラマを観る方の中国語音声の聞き取りの参考になれば幸いです。特に、登場人物の名前は連呼されるので、試聴している内に単語が聴き取れるようになると思います。
荒々しいあらすじ
周莹(zhōu yíng) という女性がヒロイン。
涇陽で1、2を争う商家である「呉家」「沈家」の両家と、ふとした事から縁が生まれます。激変する周莹の人生。そして激しく敵対する呉家と沈家。背後に暗躍するのは利権に塗れた貝勒(bèi lè)。
※貝勒 = 清朝の皇族の爵位。
周莹が人として生きていく正しい道を知り、激しくも儚い恋愛をし、数々の権謀術数に巻き込まれながらも強く生きていくというストーリーです。
とまぁ、あらすじはこんな感じになりますが、視聴すれば「縁」「愛」「権謀術数」の数々に圧倒され、ジェットコースターのような展開にドキドキ・ハラハラの連続です。
舞台
舞台は清朝末期の涇陽(けいよう)。今の陝西省で、大陸中央の西安市の北部に位置します。
アヘン戦争前と思われる描写がありますが、若干史実に基づく所もあり詳細は不明ですが、清朝末期を描いている事は確かです。
ドラマ後編では日本も出てきます。このドラマは抗日ドラマでは無いので、当時の日本と清の退廃とを比較した公正な脚本となっています。
主な登場人物
周莹(zhōu yíng)
周莹という活発な女性。周老四(zhōu lǎo sì) という養父に育てられ、大道芸人として日々暮らしています。当時としては破天荒な娘。生きる為、金を得る為ならば人を騙しても罪悪感を感じない父娘です。とは言え、実は弱者の事を考えるとても清い心の持ち主。
周老四は博打好きな放蕩オヤジで救いようが無いように思いますが、要所で活躍する憎めないキャラ。
周莹は実在した女性がモデルとなっていますが、ドラマはフィクションです。実在した周莹はアヘン戦争後に生まれているので、上述の舞台説明では「アヘン戦争前と思われる」と書きました。
周莹は孙俪(Sūn Lì) が演じています。
呉聘(wú pìn)
ピーター・ホー(何润东(hé rùn dōng)) 演じる呉聘。
ピーター・ホーを最初に観たのは「三国志」の呂布役でしたが、カッコ良くて記憶に残っています。
父の呉偉文(wú wĕi wén)と共に「信」と「誠」を胸に商売をしている誠実な人柄の好青年です。呉家は兄弟3人が3院に分かれて商いをしている豪商であり、呉聘はその1つである呉家東院(wú jiā dōng yuàn)の1人息子です。
沈星移(shĕn xīng yí)
呉家に次ぐ商家である沈家(shĕn jiā) の次男。
傍若無人、わがまま放題の放蕩息子。執拗に周莹を奪おうとしますが。。。
陈晓(chén xiǎo)が演じています。
趙白石(zhào bái shí)
涇陽の役人。清廉潔白で出世欲は皆無。世の為、人の為に職務を全うする漢の中の漢。
最初は周莹の事を品の無い女性と蔑視しているのですが、彼女と接していく内に彼女への考えが変わり。。。
この心理描写は演技の表情でも充分わかりますが、音声が聴き取れると更に趙白石の感情の変化が感じ取れます。
(最初は「周莹(zhōu yíng)」と呼んでいますが、ある所から「夫人(fū rén)」と呼ぶようになります。この呼び方が変わる所なんかは、中国語を全く知らなくても聴き取れる音だと思うので、注目して欲しい所です。
ドラマを観た感想
辮髪にしたい!
辮髪。元はモンゴル由来の髪型で、わかりやすく言うとラーメンマンの頭ですね。正確に言うと、ラーメンマンは清朝初期の髪型ですけども。
演技が凄い!
大根役者は皆無。さすがに大陸ドラマはアイドル兼俳優みたいな薄っぺらい起用はしません。
喜怒哀楽の表現力が凄く、鬼気迫る場面が多々あります。
唯一シラけるのは、沈星移の母親役が泣く所。どう見ても笑ってるようにしか見えませんでした。泣く場面以外は良い演技でしたけどね。
悪役キャラの個性が強い!
何人も悪役キャラは登場しますが、1番好きなのは呉聘の許嫁である胡咏梅(hú yŏng méi)。
勘違い、自惚れ、嫉妬まみれのブスという、満貫級の素晴らしいキャラです。憎さしかありません!そんな胡咏梅は、衝撃的な結末を迎えます。
展開が間延びしない!
1話目から数々の伏線が張られていきますが、想像以上の速さで伏線が回収されていきます。しかも、予想を裏切る展開が次々と襲いかかります。全74話なのでダラダラと話が続くのかと思いきや、全くそんな事はありません。
現代に続く中国人の本質を見る
初期の周莹の性格なんて、金のためなら何でもする現代中国人そのまま。
また、親に背く事などもってのほか。義兄弟を含め、家族、親族を大切にするのは現代中国人そのままです。こういう所を知る事ができるのが、他国の時代劇の面白さではないかな、と思います。
1番涙腺が崩壊したのは、自分が中国から帰国した事を思い出して感情を抑えられなくなった時だったんですけどね。
でも、それほど心を揺さぶるドラマだとも言えます。
是非、ご覧下さい。
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